先日、飛行機で行ったしまなみ海道の試走であらためて飛行機輪行の事を考えてみたので、ちょっとまとめてみました。
飛行機での輪行は電車や車と比較して、アクセス時間の短縮で走行時間を多く取れる事や海外サイクリング、別送代の節約やワンウェイのコース設定の実現などメリットも多くありますが目的地で組み立てた時に故障や破損などの心配があります、この不安を解消するためにもしっかりとした梱包が必要だと思います。
飛行機での輪行と言っても国内外の違いや航空会社の違い、もちろん持っていく自転車や輪行袋の違いなど様々な条件で変わると思います。ちなみに先日の輪行サイクリングは「国内・全日空・ロードバイク・オーストリッチロード320」など比較的安全な条件で梱包しました。詳細は以前のしまなみ海道試走の記事をご覧ください。
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梱包する時の基本的な考え方
- 輪行袋の中で動いてしまう部分が無いようにすべて固定する。
- 極力突起する部分をなくす。
- 飛行機に積み込む際はどの方向で置かれるか解らないのであらかじめ上面と底面を決めて梱包する。(基本、フレーム左側面とサドル後端とエンド金具を結んだラインとハンドルとサドル座面を結んだラインの3面を底面に指定する)
- 空港からサイクリングをスタート出来るように、最小限&軽量な荷物になるように梱包に必要なものを選択する。
- 輪行袋(ショルダーベルト・中締めベルト・リヤエンド金具)
- 緩衝材(厚めのスポンジやぷちぷちなど)
- ビニールテープひと巻き(刃物が無くても切れる、小さく軽量)
- 再使用可能な結束バンド(長さ25cm、15本程度)
- ペダルレンチ
- 携帯工具などの分解組立時に必要な工具
- フロントエンド金具
- リヤスプロケットカバー(特にホイルポケットの無い輪行袋は必需品)
- 取り外したリヤディレイラーとチェーンを入れる袋
- ヘルメットなどを入れる袋
- ホイルやその他部品を固定する中締めベルト(輪行袋付属のものやベルクロタイプ、ゴムバンドなど2~3本)
- 取り外した部品や分解組み立てに必要なものをまとめる袋やバック
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自転車から取り外す部品
- 前後ホイル
- 前後クイックリリース(スプリングを失くさないように!)
- ペダル
- リヤディレイラー
- サイコン
- 前後ライト
- その他必要に応じて(カメラ、サイコンステー、ボトル、Di2バッテリー、ツールケース、サドルバックなど)
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空港時の分解梱包手順(1時間)
- 自転車を降りてシューズを履き替える
- 分解梱包作業をする場所を決める
- カートを確保
- フロントをインナーギヤ、リヤをトップギヤに変速
- 作業に必要なものを準備
- 自転車を逆さまにして自立させる
- 自転車から取り外す部品をすべて取り外す
- リヤスプロケットをカバーする
- フロントホイルハブの外側の面を緩衝材で包む
- 前後エンド金具を取り付ける
- 左右ブレーキレバーを握った状態でハンドルに結束バンドで固定
- チェーンをフロントインナーギヤから外れないように結束バンドで固定
- リヤディレイラーと余ったチェーンを袋に入れて左右チェーンステイ内などの内側に結束バンドで固定(ワイヤーを無理な角度に曲げないようにする)
- 駆動側のクランクアームをチェーンステイに結束バンドで固定
- サドルバックをシートポストに結束バンドで固定(必要に応じて取り外す)
- 輪行袋を広げる
- フレームを輪行袋の上に置く
- フロントホイルをフレームの左側面に緩衝材で包んだ方をを外側にして置く
- リヤホイルをスプロケを外側にして置く
- 前後ホイルとフレームを中締めベルトで固定(八の字ではなくなるべくホイル全体をフレームに近づけて2~3か所を固定)
- ハンドルステムのホルダー固定ボルトを緩めて、ハンドルをホイルとフレームの内側に折りたたむ
- ハンドルステムのホルダー固定ボルトを締めつけて、ハンドルをホイル又はフレームに結束バンドで固定
- ハンドルの突起している部分を緩衝材で保護する
- フロントフォークエンドを緩衝材で保護する
- ヘルメットをカバーに入れてフロントフォークとダウンチューブの間に固定
- 必要に応じてフロントのアウターギヤを緩衝材で保護する
- ショルダーベルトを短く取り付ける(空港内はカートを使うのでショルダーベルトはほとんど出番なし)
- 完成!取り外した部品や工具等をリュック等に納めて輪行袋をカートに乗せて手荷物を預ける窓口へ
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輪行袋を預ける
- 手荷物の受付窓口で輪行袋を預けて搭乗手続きをする
- 「自転車」と申告
- 輪行袋の上面と底面を指定する
- 「自転車」「コワレモノ」のタグを付けてもらう
- 壊れても責任持ちませんの誓約書にサインして搭乗手続き完了
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組立手順(一時間)
- カートを確保
- 組立作業の場所を探す
- 作業に必要なものを準備
- 輪行袋を開封
- ショルダーベルトを取り外す
- ヘルメットを取り外す
- 分解梱包手順の逆の順序で固定した部分・緩衝材を取り外す(24~21)
- 前後ホイルとフレームを分解する
- フレームを逆さまにして自立させる
- 更に分解梱包手順の逆の順序でエンド金具・固定した部分・緩衝材を取り外す(15~8)
- 前後クイックリリースをホイルに取り付ける
- リヤディレイラーをエンド金具に取り付ける(エンド金具のメスねじを傷めないように真っすぐねじ込む)
- 前後ホイルを取り付ける(空気圧チェック)
- ペダルを取り付ける
- サイコンのセンサーとホイルが当たらないか?位置を確認して修正する
- ホイルを回転させてギヤの変速を確認する
- フレームの逆さまを元通りにする
- ハンドルの角度を修正して元に戻す
- 前後ライト・サイコンやその他取り外したものを取り付ける
- 輪行袋と作業に使ったものをリュック等に収納、身支度をしてサイクリングスタ~ト!
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その他注意事項
- 事前にハンドルとハンドルステムの角度を確認して、出来れば印をしておく
- 工具類は事前に分解組み立てをして最小限&軽量を心がけて選択する
- 機内持ち込み荷物のセキュリティーチェック時は工具と取り外した部品などの金属は別トレイで申告
- 機内に持ち込めないものは持参しない
こうしてまとめるとかなりの作業項目になりましたが分解梱包作業も組立作業も約1時間くらいです、省けるものもありますが現地で故障して乗れなくなる事を考えれば用心して梱包した方がいいと思います。
今回の作業手順は海外輪行でも大丈夫な様に考えましたが、海外輪行の場合更にフロントフォークとハンドルも取り外して梱包する事をお勧めします。
飛行機輪行をものにして更に行動範囲を広げ、ワールドワイドにサイクリングを自転車を楽しんでくださいね。